最後に訪れたのは、歴史を積み上げてきた戦国武士や天皇、そして根本道場を開いた空海の魂が眠る高野山。徳川家霊台などを見てきました。
愛犬はこちらでも殆どリュックの中からの見学になりますが、最後に宿泊したキャンプ場では芝生が敷き詰められ、たくさんのわんちゃんが訪れていましたが、愛犬はまだ他のわんちゃんと戯れる環境ではなかったので遠くからご挨拶。
この記事に登場する愛犬
蕾 ♀(キャバリア×ビーグルのmix犬)
高野山の概要
高野山の周囲は1,000m級の山々がそびえ、自然豊かな環境に高野山真言宗総本山金剛峯寺、大本山宝寿院の他、小さな寺院が117寺ほど点在し、その半数が宿坊を兼ねています。
816年嵯峨天皇より空海(弘法大師)へ下賜され開かれた、修禅道場の聖地。
高野山町石道、金剛峯寺境内及び建造物が熊野地区と共に紀伊山地の霊場と参詣道としてユネスコの世界遺産に登録されました。
空海が真言密教の根本道場として最初に創建したのが奥之院と壇上伽藍で、高野山の二大聖地のひとつとして現在も人々が多く訪れています。
境内には全部で19の建造物が建ち並んでいます。
奥の院参道には樹齢700年を数える杉の巨木が立ち並び、歴史に名を馳せる皇族や諸大名、各著名人から庶民に至るまで約20万基を超える墓石、慰霊碑などが建てられています。
大門は高野山の総門として、両端には金剛力士像が安置されています。
奥の院は高野山の二大聖地のひとつで、弘法大師が入定した地と言われています。
根本大塔は高さ48.5m、真言密教の根本道場の代表格で日本最古の多宝塔。
金堂のご本尊は秘仏と言われる薬師如来で、高野山の総本堂として伽藍の中央に位置しています。
御影堂は弘法大師が過ごしたお堂で、弘法大師の御影が祀られています。
御社は弘法大師が高野山を開いたときに丹生明神、高野明神を守り神として祀った社。
御廟橋より奥は弘法大師御廟が眠る聖域とされ、写真撮影は禁止され橋の手前で身だしなみを整え一礼してから渡ります。
徳川家霊台は1643年に三代将軍家光が建立した建造物で、内装は煌びやかな漆、金箔で彩られ壁画が描かれています。
高野山は魂が宿る異次元の空間だった
本宮のそばにあるキャンプ場から高野山へ向かう途中には、ヘアピンカーブが続く山道を走ります。愛犬もいるのでゆっくりと走って貰ったのですが峠を越えたところで気分が悪くなり、車を端に着けて私と愛犬は戻してしまいました。
高野山は1,000メートル級の山々に囲まれた地なので、山道はかなり厳しく簡単に辿り着けるところではないとこの時に感じました。
私達はヘアピンカーブが続く道に酔ってしまい随分時間が掛かってしまいましたが、本来なら本宮から3時間ほどで走れるよう整備された道になっています。
昔はこの山を越え高野山へ向かうには相当大変だったと思いました。
歴史や宗教には疎い私ですが、高野山は一度訪ねてみたいと思っていました。
幼犬だった愛犬を連れての移動には気が引けたのですが、和歌山まで来たからには少し帰路を変更して訪ねておきたい場所。
高野山を全て制覇するにはとても1日では廻りきることができないほど広く、境内にある19の建造物でさえ全て見ることができませんでした。
徳川家霊台奥の院へ1歩足を踏み入れると、そこは同じ地にありながらも異空の空気が漂い、うまく言葉で表現することはできませんが、世の中の悪事や乱れが浄化されたような魂の宿る聖地と言った感じがしました。
一の橋を渡ると歴史を刻んできた曾我兄弟や大岡越前、伊達政宗、上杉謙信、武田信玄など、生前は刀を突き合わせていた武将達もひとつの神域の中で供養されています。
中の橋を渡ると織田信長、豊臣家、千姫などの墓と共に松尾芭蕉の句碑や与謝野昌子の歌碑などが有りました。
奥の院の一番奥にある御廟橋から先は弘法大師御廟が祀られる聖地。
学生の時に学んできた武将や著名人、空海などは私の中で物語に登場する架空の存在のような方達でしたが、こうして墓標を目の当たりにすると、教科書の中の登場人物は実在していたのだと実感できます。
奥の院で写真撮影が禁止されているのは御廟橋から先の区域ですが、奥の院へ入ったときから私は写真を撮る気持ちにはなれませんでした。
帰路で宿泊したキャンプ場
念願だった高野山を後にして向かったのは芝生が綺麗なキャンプ場。
こちらのキャンプ場にはわんちゃん連れのキャンパーがたくさん宿泊していました。
私達がキャンプの支度をしている間、芝生にロープを張って愛犬のリードを繋ぎその距離で自由に遊ぶことができるようにしていました。
ボールをおもちゃに愛犬が遊んでいると、そこを通るキャンパーが愛犬をみてかわいいと色々な人に撫でてもらったり遊んで貰い、愛犬はこの旅行で一番楽しかった時間を過ごすことができました。
見学の際は抱っこやリュックinの時間が多かったけど、所々では愛犬も一緒にお散歩したりすれ違う人に撫でてもらったりと社会性の面でも少し成長できました。
移動時間も長かったので愛犬が過ごす後部スペースには、段差がなくなるようコンパネを敷き、その上に転んでも大丈夫なようにクッションを敷き詰めるなど工夫をして出掛けたので、休憩時間には車の中でも十分に遊ぶことができたと思います。
愛犬にとって初めての体験、キャンプや温泉デビューも果たし知らない人たちとのふれあいもできたことで一廻り成長し何事もなく無事に帰宅することができました。
紀伊半島3泊4日の旅【高野山】まとめ
今回の旅行はまだ愛犬が3ヶ月だったこともあり、無謀とも言える計画でした。
行く先々にある動物病院を調べておく、移動は最小限に、休憩は1時間以上取るなど最善を尽くしたとは言え、愛犬にとってリュックに入っている時間も長くストレスになってしまったかもしれません。
せめて3回目のワクチン接種を完了し、お散歩も安心してできるようになってからの方が良かったかもしれません。
幸いにも愛犬は帰ってからも元気で、トイレも随分成長し失敗が少なくなりました。
愛犬がお出かけ大好きになったのもこの旅行がきっかけになった可能性もあります。
人間の子供に「三つ子の魂百まで」と言う諺がありますが、わんちゃんの世界でも同じで、幼犬の時に体験した様々な出来事は後の犬生に影響を与えます。
その個体によって受ける感性に違いはありますが、愛犬の場合は普段一緒にいられない時間が多い分、楽しい時間として心に刻まれたように感じました。