駒場祭とはご存知ですか。毎年11月に東大駒場キャンパスで開催される学園祭です。
東大ならではのアイデアが生んだ斬新な企画の数々や、アカデミックさとエネルギッシュさをあわせ持つ独特な雰囲気が駒場祭の魅力となっています。
大々的に宣伝していないものの、東大駒場キャンパスは日頃から犬散歩をオッケーにしています。(2018年12月現在)
ぜひこの際、正しいルールを守って愛犬と駒場祭を楽しんでみませんか。
この記事に登場する愛犬
耳蔵 ♂ (パピヨン)
銀次郎 ♂ (パピヨン)
駒場祭の裏側を犬散歩
駒場祭は3日間で12万人にのぼる来場者が訪れる、全国屈指の規模を誇っています。
高度な学術展示や迫力のパフォーマンス、個性的な模擬店など、約500の企画が出されます。
また、参加者の多くが駒場キャンパスに通う1・2年生であるので、毎年5月の本郷・弥生キャンパスで開催される五月祭より、どこか初々しい雰囲気です。
2018年の第69回駒場祭は、11月23日から11月25日までの三連休中に開催され、大変な賑わいを見せました。
パピヨンの耳蔵と銀次郎も行ってみました。二匹は毎年駒場祭にふらりと寄っているのですが、今回の第69回目は(あくまでもそこで受けた私なりの印象ですが)、例年になく大混雑でした。
もし来年、犬を連れて駒場祭に足を伸ばしてみたいのなら、来年も今年のように恐ろしい混雑の可能性があります。
お勧めは車の場合は東北沢、上原の地域の方で探すこと。電車なら京王井の頭線駒場東大前駅の下車を避けることです。
今年2018年の駒場祭初日は駅全体が大混雑でした。なのでまたそうなることを用心して隣の池ノ上駅か、または小田急線の東北沢駅で下車することです。
犬散歩も考えると、むしろ隣側駅下車の方がいいかもしれません。駒場東大の敷地の中に入るのにも、あえて正門は止めておくべきでしょう。
人が溢れ犬もおそらく怖がるだろうし、周囲の邪魔にもなりかねないからです。
他に門は四つほどありますが、もし池ノ上駅や東北沢駅方面から歩いて来るならば、一番近いのは西門です。
西門を入ったらすぐに左折。次をまた左に曲がると野球場があります。ここは駒場祭開催中でも、人通りがなくガラガラです。
まずはこのルートをゆっくりと犬散歩しましょう。野球場は犬を歩かせられませんが、その周りは問題ありません。
野球場の周りから今度はラグビー場裏の小路を抜け、競技場をの周辺に向かってもいいでしょう。
やはり緑豊かで静かで、祭りの最中でも空いています。
駒場祭の賑わいを犬と楽しむ
そしていよいよ祭で盛り上がっているメインの並木通りに向かってみましょう。
ただしあまり混雑しているようなら、犬のためにもほかの人々のためにも遠慮した方がいいと思います。
もし二人連れ以上で来ているならば、一人が並木通りの学生による屋台で焼き鳥やソーセージ、カレーなどを買い、人気のない所で犬ともう一人を待たせておいた方がいいでしょう。
私の場合は駒場祭初日が快晴の祝日だったので、駒場祭中心エリアに踏み入れるのを一切諦めました。
犬二匹と離れた所から盛り上がっている雰囲気だけを楽しむだけにしました。
二日目は(近所の犬散歩でいずれにせよ駒場東大には毎日来ています)、薄寒い日で、私が出向いた時間も早かったため、比較的空いていました。
よって二日目は、屋台がぎっしり出ている繁華通りを犬を一応カートに乗せたままのんびりみて回って、ちょくちょく色々な食べ物を味わうことができました。
学園祭に限らず、花火大会でも盆踊り大会でも、その場の混雑度や空気を読み取った上で、愛犬連れで進むかどうか判断しないと駄目ですね。
駒場祭-漫研による犬の似顔絵
駒場祭の愛犬との楽しみ方は、ただ色々な屋台をふらふら覗いて学生グルメを味わっていくだけではありません。
最大のお勧め!?は毎年漫画研究部のパーティションに寄り、愛犬の似顔絵を描いて貰うことです。
ちなみに私は毎年駒場祭で自分の犬の似顔絵をお願いする際に、担当の漫研部員さんには必ず署名(ペンネーム)をいただいています。
というのもなにしろ東大の学生さんです。将来偉い政治家や官僚になるかもしれないでしょう。例え下手(失礼!)な絵でも価値が出るかもしれません。
また自分の犬の似顔絵を描いてくれるのが、今年はどんな生徒さんなのか、というつかの間の出会いも楽しみのひとつです。
例えば去年はいかにも真面目で頭が良さそうな青年でした。しかし不器用で、何度も消しては、何度も何度も描き直し。
気が付けは後ろには順番待ちの行列。犬もすっかり飽きてしまいソワソワしだし吠え始めました。
「もういいですよ、よく描いて下さいました、ありがとう」と私。
すると「そちらの犬がいけないんです。動くので描けるわけがないでしょう」と吐き捨てるようにいらついた声で言われ、びっくりしました。
それ以上何も言わず、私も去りましたが「こんなプライドだけが高く気が短い青年が社会でやっていけるのかな」と人ごとながら思いました。
2年前は台湾から来た留学生の青年。あまりにも日本語が流暢なので、彼が外国人だなんて言われるまでさっぱりわかりませんでした。
3年前は西日本のものすごい田舎から来たという野球部の学生さんでした。印象深いので、今でも彼の話はよく覚えています。
「親父一人に育てられたんです。でも親父は年収200万円の貧乏人だったから、ぼくはスマホを持ったことがなかったし、塾にも通えなかった。
はい、でも東大は現役合格しました。参考書も買えず毎日図書館で一生懸命勉強しました。
東大入学後初めて東京に住み、地元とのあまりの経済や教育格差に愕然としました。
卒業したら文部科学省に入りたいです。入れるかどうか分からないけど、もし入れたら都心部と地方田舎町との教育格差問題をどうにかしたい」。
後日談ですが、一年後に渋谷でこの青年を見かけました。声をかけなかったのですが、お化粧が濃い女の子達に囲まれていた上、青年の服装も髪型、顔つきもよくいえばシティボーイ、悪くいえば「チャラ」くなっていました。
確かに野球部で日に焼けて背も高く、そしてなにしろ東大生!モテないわけがありませんね…でもあんな純朴なまっすぐだった青年が、こんなに崩れた感じに、とやはりショックは受けました、はい。
またもっと遡って4年前。一番覚えているのは、この4年前の漫画研究部の学生さんです。
全盛期の木村拓哉そっくりで、しかも東大理科三類(理三)!鬼に金棒です。
若い頃の木村拓哉そっくりの理三君は、机の上にiPhoneを置いてたまま、私の犬の似顔絵を描いてくれていました。
しかし着信音が止まないそのiPhone。ふと目をやると女の子達からのラインメッセージ着信ばかり!
こんなに続々いろいろな女子からラインが引っ切りなしにくるものか、と唖然。
あのイケメンインテリ彼は今頃どうしいるのか、ちょっと今でも気になります。(笑)
そして今年は女子学生さんが描いてくれました。今回は(この記事のために!)東大漫画研究部のことをいろいろ伺ってみました。
部員数は約60名、しかし個人作業なのでお互い付き合いがなく、メンバー同士よく知らない。
東大生漫画研究部からプロになった漫画家も数名おり、名前までは聞きませんでしたが、そのうち三名はビッグになり、一人は今現在ヤングジャンプ?とかいうメジャー漫画雑誌に連載を持っているそうです。
あなたももし愛犬を連れて行ったら、そんなに混んでいないようでしたら是非とも似顔絵を描いてみてもらってください。別にあなた自身の似顔絵でもいいですよ!
あなたの(犬の)似顔絵担当をしてくれた学生はもしかして総理大臣になるかもしれないですしね、絶対署名をお願いするのをお忘れなく。
駒場祭での犬連れのレジャー
校舎外でも愛犬と愉しめる催しものは他にも様々あります。
例えば野外ステージです。音楽演奏やプロレス?などが愉しめます。そしてクロスワードラリー。愛犬と一緒に構内のあちこちを探して回ってみましょう。
屋外に東大グッズ販売コーナーもありました。正直、シャツもバッグもマグカップも決してセンスはないのですが、「東大」という二文字がプリントされているだけで、何故か欲しくなってしまう東大マジック!
古本市も毎年学食のテラスに出展です。漫画や小説などもありますが、大半は赤本、参考書、試験問題集、辞書、洋書(文学)ですね。
自動車部は改造車など出しています。また博物館も犬をもう一人の飼い主と外で待たせて、ちょっと覗いてみるのもお勧めです。
正門側にある駒場博物館は、美術博物館と自然科学博物館で構成されており、総合文化研究科・教養学部ならではの文系・理系の垣根を越えた個性的な内容となっています。
駒場祭とは関係なく入場ができます。(入場無料)過去の展示会をみてもオマーン展、構造折り紙展、卵からはじまる形づくりー発生生物学への誘い展など、マニアックでアカデミックなものばかりです。
商業的博物館ではまずありえない展示会ばかりで、非常に興味深いです。
駒場祭犬散歩は以上です。混み具合によっては犬連れは控えた方が良いかもしれないスポットではありますが。
しかし来年以降できれば平日も開催するのならば、平日の早い時間に足を運んでみれば、比較的ゆったり犬散歩を兼ねた駒場祭を満喫できることでしょう。
そもそも学園祭に愛犬とふらりと寄るだなんて、なかなかない経験です。
ただここでいまさら言うのもなんですが、東大駒場キャンパスの学園祭よりも、日本医科大学と日本獣医生命科学大学の合同大学祭の方が、犬連れには気が楽だと思います。
なぜなら駒場東大は「別に犬と一緒でもいいけれど、十分気を配ってね」というスタンス。
しかし、日本医科大学と日本獣医生命科学大学の合同大学祭のホームページでは「年齢問わず、家族であるペットを含め気軽に足をお運びいただきたい」と明記されています。
いずれにせよしっかりマナーを守って学園祭に立ち寄ってみましょう。
もう一つの駒場キャンパスでも犬散歩
おまけになりますが、駒場祭に寄ったついでにそこの西門(駒場キャンパス)を出てまっすぐ行ったところにある東大生産技術研究所にも寄ってみましょう。
駒場祭が開かれている方は東大教養学部で、こちらは大学院と留学生会館、研究所があるキャンパスになります。
祭りとは一切関係ないので、非常に静かです。特に週末はひっそりとしています。とりわけ広い敷地ではありませんが、鳥のさえずりが聞こえ、緑が生い茂っています。
敷地中のレストランはテラス席は犬もオッケーです。日曜日は一切閉店なので要注意です。
駒場祭では犬と上品に
そもそも学園祭は、基本的には誰でも無料で参加できるようになっています。
また大学の場合は高校と異なり、入場制限をすることはほとんどありません。
東大の場合は国有地ということもあり、元々近所の犬連れや子連れ達が公園のように気軽に散歩したり遊べるようになっています。
しかし学園祭はやはり学生らの様々な発表をする場ですから、犬連れも節度を守り、祭の賑わいに参加してみましょう。