渋谷区猿楽町に「代官山オトナTSUTAYA」プロジェクトとし代官山に大人が集い楽しめる施設を、というコンセプトでT-SITEがオープンしたのは2011年12月でした。
あれから数年― T-SITEはどのような変貌を遂げたと思いますか。なんと人間の大人ではなく、散歩中の犬たちのための複合施設になっている!?
T-SITEを中心に犬連れがどのように代官山を歩けるのか、ご紹介していきましょう。
この記事に登場する愛犬
耳蔵 ♂ (パピヨン)
銀次郎 ♂ (パピヨン)
代官山T-SITEは犬の社交場
T-SITEはもはや代官山の代名詞であり、この街のアイコン的存在になっていると言えます。
もはや外国人観光客だらけになっている感はありますがそれはさておき、このT-SITEが犬の社交場化しているのはご存知でしょうか。
平日に来れば大勢ご近所の犬たちが次から次に散歩で立ち寄っています。それも見たこともない聞いたこともない珍しい犬種に出逢えます。さすが代官山です。
ところで犬連れにとってT-SITEに立ち寄る魅力はなんでしょう。
大勢の素敵な犬(とその飼い主たち)と知り合えるだけではなく、プラスアルファの楽しみだらけだからです。
代官山T-SITE犬と寄るメリットのひとつは、まずは蔦谷書店に犬連れで入店できることです。
蓋を閉めたバギーやリュック、スリングに犬を収めなければなりませんが、犬散歩のついでに本屋にふらりと立ち寄れるのは、本当にありがたい限りです。
真夏の散歩時には店内の冷房で犬もホッとし、真冬も暖をとれます。店内にかかっていBGMがいつも耳障りの良いものばかりで、心が落ち着くのもポイントです。
ちなみに雑誌コーナーは充実し写真集や洋書、文芸書も充実しています。外車の専門書コーナーが広いのも、さもセレブな代官山の書店ならではです。
そして期間限定で代わる代わる開かれるイベントやマーケットも見逃せません。規模はこじんまりとしていますが、基本的にハイセンスな内容のものばかりです。
野菜市やパン市、ドイツ食品市などが開催されるときは、大きいペットカートまたは車で行けばたくさん買い出しができることでしょう。
そして敷地内には様々なフォトジェニックスポットが期間限定でよく設けられます。
ついつい愛犬と一緒にパシャっと撮りたくなるスポットに出くわすのも、散歩のテンションが上がりなかなか楽しいものです。
代官山T-SITEドッグランと犬OKのイベント
代官山T-SITEの敷地の奥には犬連れが一斉に向かう店があります。GREEN DOG(グリーンドッグ)です。
犬猫のプレミアムフードをはじめとし犬のおもちゃ、シャンプーグッズにおしゃれ(そして高い!)犬服など取り扱っています。店内には犬の飲み水のお皿が用意されているのはとても助かります。
グリーンドッグのすごいところは、スタッフの女性たちが犬の名前をよく記憶していることです。
たまにしか立ち寄らない犬に会っても「あ、○○ちゃん!」と何も見ないで声をかけてくれるのです。
グリーンドッグにはトリミングサロンや代官山動物病院も併設されています。そしてお店の前には小さなドッグガーデン(ドッグラン)があります。本当に小さく同時使用は小型犬5匹までしか認められていません。
グリーンドッグの会員でなければ使用できませんが、会員登録はお店のレジで簡単に出来ます。30分350円(1頭)で、猛暑の日中は閉鎖されます。
このドッグランの素晴らしい点は、ラン使用にあたり予防接種や狂犬病接種証明書を見せなくてもいいのです。
それには理由があり、持病、アレルギーや高齢などで注射を打てない犬もいる、でもそういう犬もドッグランを楽しむ権利があるじゃないか、というものです。
その代わり一切の責任は飼い主たちにあり、人や他の犬を噛むくせ、注射接種をしていない犬は当然ご遠慮いただくのは前提にありますよ、という暗黙ルールがあります。
さすが洗練された人々の多い街です。ここのドッグランに来る飼い主も常識をわきまえていることが当たり前、ととらえています。
ちなみに毎月一回、グリーンドッグのドッグガーデンで保護犬譲渡会が開かれています。
冷やかしで中に入り、自由に放たれている保護犬達を触るのは感心しませんが、ランの外から見学してもいいと思います。
この譲渡会に出される犬の大半はブリーダー放棄の小型犬ばかりですが、いかにもぼろぼろで悲惨な保護犬はまずいません。
語弊のないように言うならば、みんな手入れもされ綺麗になった可愛い犬ばかりなので比較的心穏やかに見物や参加ができます。
保護犬ビギナーはまずここの譲渡会に足を運ぶといいでしょう。雨天時は店内二階での譲渡会になります。
そしてガーデンドッグを出たら、その向かいのガラス張りのスペースに目をやりましょう。ガーデンテラスと呼ばれるイベントスペースです。
ここでは期間限定で様々なイベント、骨董市、フォト撮影会、写真展、服販売などが開かれています。
犬も一緒に入れるので、代官山T-SITEに来るときは、是非ともガーデンテラスも寄ってみることをお勧めします。「今日は何のテーマかな」とワクワクするものですから。
ちなみに私が今までで一番印象深かったのが、バーテンダーのいるバーカウンターが設けられたジャズの生演奏ライブです。
2、3年前の9月だったと思うのですが、夜散歩の時に代官山T-SITEに寄ると、この『JAZZ, LP RECORD BAR』が始まっていました。
不意打ちのジャズ生演奏の音色とバーテンダーのカクテルをシャカシャカ降る音に誘われ、ついついふらりと中に吸い寄せられてしまいました。
犬連れのお客さんが多いのは外から見た時に分かっていました。だから余計に気後れせず入れました。
何故なら「これだけ犬が多いから騒々しいに違いない、逆に犬連れの自分も気が楽だ」と思ったからです。
ところが中に入るとおやっ。どういうことなのでしょう、そこにいる犬全員がうっとりジャズ生演奏に耳を傾けているではありませんか。
きょろきょろおどおどしているのは自分の二匹の犬だけです、他の犬たちは非常に落ち着きを払っています。
自分の犬たちがしびれを切らし吠え出すのではないかとドキドキし始めました。音楽通の犬しかいないのに、ここで二匹がワンワンガウガウ言い出したら最悪です。
出ようと思いましたが、ちょうど入ってきた団体客が出入口を陣取りました。ペットカートなんぞ押して出られる状況ではなくなりました。しかも長い長い(と感じる)曲の演奏最中でした。
仕方なくそのまま中に留まりました。が、絶対吠えないでね、ぐずらないでね、と二匹に目配せと念を送りながら、こちらの心臓はばくばくです。カクテルの飲むピッチも速まります。
「ああやっと二曲目が終わった、あと何曲だろう、『枯れ葉』ってこんなに長かったけ?」
ずっと「いつ吠えるか」緊張し続けており、アンコールの声がかかった時には正直言って「勘弁して」と思い、しかも二曲目のアンコール演奏の時にはへなへなとなってしまいました。
ちなみに二匹は大人しくしており、一回も吠えませんでした。一応空気を読んでくれていたようです。もっと自分の犬を信用すべきですね。
実際はむろん最高のジャズ生演奏でした。でも次回は犬抜きで楽しみたいと思いました。(笑)
とにかくさすが代官山です。犬連れでジャズ生演奏バーに行けるなんてこの街くらいしかありえないかも!
代官山T-SITEのカフェレストランで愛犬とまったり
代官山T-SITEにあるスターバックスコーヒー 代官山蔦屋書店とIVY PLACEレストランでは犬と食事ができます。
スターバックスはカートやスリング、かばんに犬を収めて蓋をしていれば愛犬連れで中に入れます。しかし店内は常に混雑している印象です。なので気候がよければ広々とした外席がお勧めです。
冬は巨大な石油ストーブをつけてくれるのでなかなか暖かいです。問題は「鳩」です。
代官山TSITEスターバックスの外席辺りに群がっている鳩はなかなかたいしたもので、犬なんぞ怖がることもなくぐいぐい近寄ってきます。
そして人間と犬の目の前でテーブルの上のサンドイッチを盗み食いしていきます。
盗み食い以外は何も悪さをしないのですが、くれぐれも鳩にあなたのランチを盗られないように気をつけてましょう。
Ivy placeレストランやT-SITE真横のアロハテーブル 代官山 (ALOHA TABLE Daikanyama Forest)のレストラン、鉄板焼き 貴真 (TEPPANYAKI KISHIN)でもテラス席は犬同伴オッケーです。
(余談ですが貴真の犬メニューのステーキ100g6000円を見た時には腰を抜かしそうになりました。
そしてあるヨークシャーテリアの飼い主の中年男性が、実際にそれを200g注文しているのを目撃したときには完全に腰を抜かしました。
そのヨークシャーテリアの首輪リードはヴィトンでした、当然ですね…)