大切にしていたペットが亡くなってしまった後、もちろん葬儀はやるにしても何かしら他にも供養をしてあげたいという飼い主さんも多くいます。
その供養の1つとしてペットの位牌を作るという選択肢があります。位牌と聞くと人間のような仏壇に置いておく黒塗りの板を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、ペットの位牌には大きな決まりがないので可愛いデザインのものが多くあり、遺影の代わりや置物として置いている家庭もあります。
今回はそんな最近のペットの位牌事情を紹介していきます。
ペットの位牌 位牌とは?
位牌とは死者の祭祀のため死者の戒名や法名・法号をなどを記した木の板で、人間であれば四十九日までに本位牌(正式な位牌)を用意せねばなりません。
位牌には様々な考え方や捉え方がありますが「魂が戻ってくる場所」や「魂が迷子にならないためのアンテナ」など魂の帰る場所としての役割を果たしているというのが有名です。
ペットには死後、法名や法号を付けないことや葬儀をやらなかったこともあり、ペットの位牌を作る習慣はありませんでした。
しかし最近はペットが家族の一員として大きな存在となったため、葬儀を執り行うようになったり個人でペットのお墓もったり納骨堂の利用するようになったりするなど、時代の流れと共にペットの供養の方法が多様化しています。
その中で、最近人気が出てき始めたのがペットの位牌です。ペットの位牌は必ず用意しなくても良い上、宗教的な決まりもありません。
そのため、ペットの位牌は飼い主さんの自己判断で作成するもので、作っていない方ももちろんいます。
とはいえ、飼っていたペットのために位牌を作ってあげたいというニーズやペットの位牌のデザインに魅力を感じるという理由から、近年作っているという飼い主さんが増えてきています。
特に後者の理由として、ペットの位牌の場合は人間のものとは違って型が決まっていないので、人間で使うような本格的な木の板状のもの以外にも十字架やクリスタル、写真入りのものなど種類が増えています。
ペットの位牌は仏壇や霊廟に置いておくものというよりも、遺影の代わりに置いておくものとしての需要も高まっています。
ペットの位牌 位牌の種類
ペットの位牌はペットの仏具や仏壇を取り扱っている専門店や名入れ・彫刻の専門店、各種通販サイトで購入することができます。
各お店で取り扱っているペットの位牌を大きく分けて紹介していきます。
①唐木位牌
唐木位牌とはいわゆる人間の場合に用意する木製の位牌のことで、黒の漆塗りした唐木に金の文字で名前を掘った木の板のことを指します。
基本的には丸みを帯びた長方形ですが楕円形のものもあり、サイズも人間のものと同じような大きさのものからそれより半分くらいの小さなものもあります。
また、この唐木位牌は黒以外にも茶色や白など色が選べるものがあるのでペットの毛並みに合わせて作ることもできます。
デザインも豊富でゴールドラインを入れることができたり、お名前以外にもペットの写真を入れることができたりするものもあります。
唐木位牌を作る飼い主さんは、自宅やペット霊園にお仏壇をもつ家庭で作られることが多く、お仏壇に納めて供養しています。
②クリスタル位牌
クリスタル位牌は近年のペットの位牌の知名度や人気を上げた理由の1つで、位牌というよりも自分のペットのグッズという印象が強いものです。
クリスタル位牌には従来の唐木位牌を模したものもあればダイヤモンド型、スクエア型、ハート形、円型など様々な形のものがあります。
大きさも手のひらサイズの小さなものから写真立て程の大きなものまで用意され、名前以外にカラー写真、メッセージ、虹や花などの装飾を入れることもできます。
もちろん、カラーを使わずシンプルに彫刻のみを施したものもありますし、唐木位牌のデザインをそのままクリスタル素材に直したようなものもあります。
クリスタル位牌は取り扱っているお店によって種類やデザインなど多様性があるので、お気に入り一品を探しやすい位牌でもあるので、下調べをしっかりしておくと良いです。
クリスタル位牌は、お仏壇をもたない家庭や洋風の家に住んでいる方、寂しい気持ちにならないように用意される方、位牌らしくない位牌が欲しい方など多くの飼い主さんに人気の位牌です。
③手描き位牌
白木などで作られた無地の位牌に自分の字でペットの名前を書いてあげるという位牌で、仮位牌としてよく使われています。
没年月日、享年、「之位牌」とだけあらかじめ掘られているのでそれに沿って書くシンプルな位牌です。
今まで紹介した位牌は当日作成してくれる場合もありますが、通常2~14日程度かかってしまうものも多いです。
そのため、ペットの葬儀や納骨に間に合わせたいといった、一日も早く位牌を用意してあげたいという飼い主さんが利用しています。