以前は「雑種」と呼ばれていた犬が、今ではかわいいミックス犬として人気です。欧米ではデザイナーズ・ドッグなどと呼ばれ、希少性の高い犬としてブランド化している犬種もあるとか。
現在のミックス犬は、純血犬種の特徴や容姿のかわいらしさを組み合わせ、“いいとこどり”を狙ったワンちゃんが多く出回っているようです。
今回はそんな話題のミックス犬の中でも、フレンドリーで飼いやすい、人気上昇中の「ポメックス」についてご紹介します。
ポメックスの特徴
ポメックスは、ポメラニアンとミニチュア・ダックスフンドを親犬種に持つミックス犬です。かわいい上に性格的にも飼いやすいことで人気が高まり、最近ではミックス犬を多く扱うペットショップなどでも多く取り扱われるようになっているようです。
ポメックスはポメラニアン特有の潤んだ瞳と豊かな被毛、そして、ミニチュアダックスに似た胴長の愛らしい体形とが組み合わさり、まさに親犬種の持つお互いのカワイイ特徴のいいとこどり。
どちらの特徴が色濃く表れても、かわいらしさが損なわれることはありません。たれ耳か立ち耳かは、親犬種のどちらの特徴が濃く現れるかによって異なりますが、一般的には、ポメックスはずんぐりとぽてっとした体形に、キュートな顔立ちです。
ポメックスの体重は5キロ前後、体高は15~30cm前後と幅があります。ポメラニアン寄りになれば足長さんに、ミニチュアダックス寄りになれば胴長さんになります。
ポメックスの被毛はボリューミーで美しく、「レッド」「クリーム」「ブラウン」「ブラック」「ブラック&タン」「ホワイト」「グレー」などバリエーションは多彩です。
ポメックスの性格
ポメックスは、家庭犬として大変理想的な性格で、性格面での掛け合わせの相性も良いと言われています。
ポメラニアンの賢さ、忠実さや社交性と、ミニチュア・ダックスフンドのフレンドリーさ、人懐っこさを合わせ持ったポメックスは、家族に対する愛情豊かな甘えん坊の家庭犬にぴったり。
ポメックスは犬同士でも仲良くできるため、多頭飼いをしたい方にも向いているワンちゃんといえます。
もちろん、その個体の持ち前の性格もありますが、親犬種の持つ素晴らしい性質がその子の性格の良さを助けます。
小さなお子さんのいる家庭でも、ポメックスは家族の一員として迎えるのに十分な要素を備えていると言えるでしょう。
ポメックスは、親ゆずりの賢く辛抱強い性格で、飼い主が何を望んでいるのか、を読み取ったり物覚えも早いため、しつけもしやすいです。
しかし、かわいらしく甘え上手なポメックスをついつい甘やかし、過保護にし過ぎると、ポメラニアンの番犬気質やミニチュア・ダックスフンドの猟犬としての気質が幅を利かせるようになりますよ。
警戒吠えなどの吠え癖や気の強さからくる噛み癖などで、手を焼くことのないよう、人との日常生活を送る上でのマナーをきちんとしつけてあげましょう。
ポメックスのお手入れ
ポメックスは、どちらもダブルコートの被毛を持っていますので、換毛期にはたくさん抜け毛がおこります。
ボリュームある飾り毛がある場合も多いので、ブラッシングを怠ると、耳の周りやお尻周りに毛玉ができやすくなります。
日常的にブラッシングを嫌がらないようにコームやスリッカーなどの道具に慣れさせて、普段からお手入れを欠かさないことが大切です。
ミニチュア・ダックスフンドの特徴をより濃く受け継いでいて足が短い場合は、お散歩時にお腹周りに草木などをくっつけてしまうこともあるため、帰宅後の被毛のお手入れを日課にするとよいでしょう。
その他、個体差はありますがポメックスはミニチュア・ダックスフンドの体質がより濃く現れた場合、体臭が強い傾向にあるため、お風呂などもマメに入れてあげましょう。
気を付けたいポメックスの病気
ポメックスは、ミニチュア・ダックスフンド同様に足や腰を痛めやすく、ヘルニアや脱臼などは気を付けたい病気です。
これらの病気は人が配慮をすることで十分予防することができますので、体重管理や滑りにくい床などの住環境の整備をしてあげましょう。
また、外見だけを重視したような繁殖をすると、親犬種に先天的な疾患があることに十分ケアをしていないケースもあります。
きちんと親犬種の病歴を把握できる、信頼できるところから入手することで、遺伝的な病気のリスクは避けることができるでしょう。
親しみやすさが魅力のポメックス
親犬種の持つすばらしい特性を上手に自身の個性として取り入れることができたポメックスは、今求められている愛玩犬として必要な要素を十分に持ち合わせています。
一方で、華やかなスタイルの良さやパッと人目を引くような目立った特徴があるか、というとポメックスの魅力はそうした派手さや優雅さでは無く、やさしく温かな癒し系といったところでしょうか。
そばにいると安心する存在感。そして、小さな体いっぱいで無償の愛情を注いでくれるポメックス。もしもご縁があって家族の一員に迎えたら、一生涯大切にしたいですね。