以前は「雑種」と呼ばれていた犬が、今ではかわいいミックス犬として人気です。欧米ではデザイナーズ・ドッグなどと呼ばれ、希少性の高い犬としてブランド化している犬種もあるとか。
現在のミックス犬は、純血犬種の特徴や容姿のかわいらしさを組み合わせ、“いいとこどり”を狙ったワンちゃんが多く出回っているようです。
今回はそんな話題のミックス犬の中でも、ちょっぴり控えめなわんぱくぶりが魅力の「ぺキックス」についてご紹介します。
ぺキックスの特徴
ぺキックスは、ペキニーズとダックス(ミニチュア・ダックスフンド)を親犬種に持つミックス犬です。
鼻ぺちゃ顔が愛らしいペキニーズと、胴長短足のボディがチャーミングなダックスの要素を受け継ぐぺキックス。いったいどのような容姿になるのでしょう。
見た目の第一印象は、マズル短め、愛嬌ある顔立ちのダックスちゃん。身体的な特徴がダックスで、顔の雰囲気がペキニーズ、といった容姿のぺキックスが一般的です。
ペキックスは体重6kg前後、体高25cm前後、少し大きめの小型犬。親犬種の、特にペキニーズが大きめの体格の場合は中型犬サイズくらいまで成長する可能性もあります。
長寿な犬種で18年生きることも珍しくないとか。
ペキックスの耳まわりの豊かな飾り毛ややわらかな被毛、といった部分は両親犬種に共通している部分ではありますが、ずんぐりとした鼻先にダックスには見られないペキニーズの面影を感じられます。
ペキックスの毛色も両親犬種のカラーバリエーションの豊富さを引き継ぎ、単色、2色ともさまざまなカラーがあります。
ぺキックスの性格
ぺキックスは、まるで小さな幼児のようにやんちゃな一面と長く愛玩犬として寵愛されてきた穏やかな性格とが同居する、見ていて飽きない魅力的な性格といわれています。
ひとたび外に出れば遊び好きな一面が顔をのぞかせ、他のワンちゃんたちとも楽しく元気に遊ぶことができるし、室内で飼い主さんと過ごす時にはゆったりと優雅に過ごす大人しさも持ち合わせています。
両親犬種の性格の良さを上手に取り入れた、愛嬌ある性格といえるでしょう。
ペキックスは賢く愛情深いことから、飼い主さんの言うことにも従順です。しつけもしやすい、飼いやすい犬種と言えるでしょう。
とはいえ、両犬種の性格のマイナス部分が強調されてしまうことも無くはありません。
ペキックスの警戒心に富んだ気の強さは、猟犬だった歴史を持つダックスの犬種本来の要素です。普段は穏やかなペキニーズも、怖いもの知らずの負けん気を持ち合わせています。
こうした要素が現れることもありますので、親犬種それぞれの良い面、悪い面を理解し、個性的に成長していくぺキックスを温かく見守ってあげましょう。
ペキックスは犬種として持ち合わせている性格的な特徴に応じて、正しいしつけを行っていれば、特別な問題行動を起こすようなことはありません。その点では、ぺキックスはとても飼いやすく家庭犬に向いているといえます。
ぺキックスのお手入れ
ぺキックスのどちらの親犬種も、被毛の手入れは念入りに行う必要があります。そのため、ぺキックスの被毛のお手入れも、ブラッシングを欠かさず、常に皮膚を清潔に保つようにしてあげましょう。
ペキックスは耳の飾り毛や脇の下などに毛玉をつくりやすいため、特にその部分は念入りに。
スリッカーブラシなどでアンダーコートを丁寧に取り除き、コームで整えるなど、道具を上手に使い分けて、美しい被毛を保つようにしてあげましょう。
また垂れ耳のため、耳の手入れにも注意してあげる必要があります。
気を付けたいぺキックスの病気
ぺキックスは他のミックス犬と比べても丈夫で長生きな犬種と言われています。でも、食事や運動の管理をきちんと行い、何か異変に気づいたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう。
短頭種であるペキニーズの要素を持ち合わせているぺキックスは、呼吸や体温調節があまり上手ではありません。足が短く体高が低めなこともあり、特に夏の暑さなどは苦手なため、熱中症対策などをして人が快適な環境を整えてあげるようにしてください。
肥満になってしまうと、その胴の長さから腰回りの負担が大きくなり、椎間板ヘルニアなどを発症してしまうリスクもあります。体重管理には気をつけましょう。
親犬種であるペキニーズは、鼻腔狭窄や軟口蓋過長など短頭種特有の疾患にかかりやすいといえます。その他、アレルギー性皮膚炎、膿皮症などの皮膚の病気、白内障やドライアイなどの目の病気なども気を付けておきたいものです。
十犬十色のぺキックスの個性
こぼれ落ちそうな潤んだ瞳が愛嬌を感じさせるぺキックス。ミックス犬としては、とても不思議な組み合わせのため、その子の個性に応じて見た目の印象もずいぶんと変わってくることでしょう。
ペキックスほまだまだ発展途上のミックス犬でもあるため、容姿が定まっていないということも忘れてはいけません。
どんな個性あふれるぺキックスでも「こんなはずでは」などと思わず、愛情もって受け入れてあげることが大切です。
短い足でチョコチョコと歩き、一生懸命に飼い主さんを見上げる潤んだ丸い瞳を見ていると、ついついこの子のために何でもしてあげたい!!という気持ちになってしまいますよ!