比較的長距離ドライブ(自宅から約400㎞)を愛犬と行く場合の留意点盛り沢山の温泉旅エッセイです。
一歳半のペキニーズの小麦と一緒にふらっと旅に出掛けてみたくなりました。今回の旅のテーマを、温泉、魚料理、部屋食にして目的地を絞ったところ、能登半島の和倉温泉に行き着きました。
楽しさの裏に潜むハプニング満載の愛犬旅行を一緒に楽しんで下さい。
この記事に登場する愛犬
小麦 ♀ 1歳(ペキニーズ)
旅の楽しみは、行き先の選定から始まる。能登半島か伊豆半島か?
現在の愛犬のペキニーズはわが家の2代目です。先代はシーズーで17歳まで生きて地元の市から長寿犬として表彰されました。
実は1年前に八ヶ岳にペキニーズを連れて2泊の愛犬旅行を楽しんでおりその時は何事もなく犬と一緒の旅をエンジョイ出来たので、今回はもう少し足を延ばそうと思いました。
そこでテーマを決めることから始めました。まずは温泉地、そして海に近く海鮮の美味、ペットと一緒に食事ができる部屋食です。ネットで検索するだけでなく旅行代理店にも立ち寄り情報を集めました。
結果として分かったのは海沿いでペット同伴で泊まれる宿泊地は数少ないという事でした。そして最終的に和倉温泉と伊豆長岡の2つの候補地に絞られました。
もちろんペット専門の宿は幾つかありましたが、そうなると愛犬同士の品評会になってしまうのは目に見えていました。あくまでも一般の宿で、犬連れで他の宿泊客から「可愛いね」を貰うプチ優越感が望ましい姿ですね。
伊豆は犬連れでは無くても、幾度となく訪れていましたので、少し遠いのですが思い切って能登の和倉温泉に目的地を決めました。
この時点で頭の中には、ノドグロの一文字が浮かんでいたのも事実ですが・・・これが実は後に裏目に出てしまったのです。
いざ能登に向けて出発!
朝9時にまずは庭の植木に水をタップリと上げます。この時期梅雨とは言え鉢植えの植物には水切れは死活問題です。出来れば日蔭に移したいものですね。
犬のケージをトランクに入れるか、後部座席に置くか迷ったのですが道中愛犬とのアイコンタクトを重視して後部座席に置くことにしました。
和倉温泉までは約400㎞あり途中2度ほど休憩を予定しており、予めサービスエリアを調べておきました。愛犬旅行の最初の1時間ほどは気分もルンルンで実に爽快です。
最初の休憩は小布施サービスエリアと決めておいたのですが、決め手はざる蕎麦定食でした。また、帰路の途中に小布施ワイナリーに寄ろうと考えていたので下調べも兼ねてと立ち寄りました。
しかし、実際サービスエリアに入ると何処がレストランか分からないので事務所に尋ねてみるとブリッジを渡って道路の反対側ということです。犬連れに階段は禁物なので、一旦スマートインターのゲートを通過して移動しました。
レストラン家屋に行くと、ざる蕎麦を食べるにはペット同伴では無理で屋外のベンチで軽食を食べる羽目になりました。しかも気温は30度で蒸し暑く犬もややグッタリという状況です。
休憩を終えて能登を目指すのですが、一旦インターを出てしまったので再入場となり高速代金は少し割高となってしまいました。
その後はスムーズにカーナビの指示通りに、上越ジャンクションから北陸自動車道に入り富山県の小杉ICで降りました。高岡市、七尾市を経由していよいよ和倉温泉へとまっしぐらです。
能登半島の迎賓館、和倉温泉に到着!
今回私達が宿泊したのは石川県の和倉温泉にある「花ごよみ」という和風旅館で、2泊しました。金沢や富山へは出張で立ち寄る機会はありましたが能登半島まで足を延ばすことはなく楽しみにしていました。
到着するとエントランス横の黒塗りの看板に自分の名前を見つけ、程なくして女将がお出迎えをしてくれました。
犬の世話をしている間に仲居さんが犬のケージや荷物を手際良く部屋まで運んでくれました。
犬と一緒に泊まれる部屋は1階の一部屋のみだったので、さぞかし質素な部屋だと思っていましたが、部屋に入ると意外と明るく広い感じがしてサプライズでした。
フロントからも近く何より玄関から靴のまま部屋まで一直線なので犬連れには嬉しいですね。
部屋に入ると10畳プラス縁台が二畳なので、夫婦と愛犬には充分なスペースだと言えます。
縁台に腰掛け障子を開けると、中庭のサツキが目に入り更に部屋の広がりを感じさせます。特に、この木の縁台がペットを乗せるには最適です!
早速浴衣に着替えていざ温泉へと向かうも部屋のすぐ隣なので期待に胸ふくらませる暇なく湯船に直行ですが、事前に仲居さんから言われていた通り熱い湯です。43度はあるかなと思いながら、意を決して身を湯に浸せば極楽気分に。
温泉は男女分かれており、宿泊の人数によっては交換するそうですが、今回はスローな時期だったためか2日とも同じでした。
一風呂浴びて温泉を出ると目の前にヤクルトの無料サービスがあり、横には無料のマッサージチェアーが。少し年季が入っていますが長距離ドライブの後にはたまらないですね!
さて6時半に待望の夕食に、犬と一緒の部屋食です。もし食事処だった場合には部屋に置いてきた犬がどうしているか気になりソワソワしてしまいますね。
13品の贅沢膳コースでしたが、能登の魚料理満載で大満足。とりわけ、ノドグロの塩焼きは絶品でした。生ビールの後の地酒の四合瓶も気がつけば既に空いていました。
食べ始めて直ぐに女将が挨拶に訪れ、ここまではいわゆるジャパニーズ旅館の定番といったところでしょうか。
ペットには自宅から持参した鶏肉とペットフーズを食べさせて、お膳の料理の中から大丈夫そうなものを与えました。
これも部屋食ならではですね!しかし、犬は長旅のせいか食欲はあまり無くお疲れ気味です(心配・・・)。
8時過ぎに仲居さんがお膳を下げにきたので、犬の散歩に出かけることにしました。外に出ると徒歩1分で和倉温泉の総本山ともいうべき総湯が目に入り、そのバックにはこれまた和倉のシンボル的存在の加賀屋ホテルの荘厳なお姿が。
加賀屋と総湯のそばには「湯元の広場」という芝生の公園があり犬の散歩には打って付けです。飲める温泉や足湯、また暖かいベンチなどが揃っていて、犬にも飼い主にも実にワンだふるな居心地です。
部屋に戻ると、すでに布団が敷かれていましたがまだ9時過ぎなのでフロント脇のラウンジに顔を出すことにしました。
するとそこには先ほどの女将が着物からブラウス姿に大変身!しかもカラオケはプロ並みのうまさだ。
ここでカンパリソーダを2杯ほど飲んで数曲歌ってお会計は2800円でした。途中女将の馴染みの客が一人やって来て楽しく会話も弾み和倉温泉の夜を満喫しました。
夜寝る時は念のため愛犬をケージに入れて、朝までグッスリのつもりが愛犬が気がかりで余り良く寝付けずに。愛犬は水も余り受け付けない感じです。
輪島の朝市と能登半島巡りの半日ドライブ
翌日は8時に朝食を済ませて、9時に輪島の朝市に向けて出発。犬の食欲は相変わらず余り無し。
道中高速を通ったのですが、どうゆう訳か料金無料でラッキーな気分で1時間程で輪島に到着。
朝市のそばに駐車場があり300円で利用できるので便利です。朝市は10時過ぎは結構値引してくれるのでお土産をまとめて買うとお得ですね。
また輪島の漆器も有名なのでお椀や箸などを購入しました。孫の手がなんと350円だったのでビックリで愛用しています。
数年前に山中温泉行に滞在しましたが、山中塗と輪島塗は技法が異なるそうです。
この頃から犬の便が下痢状態になって来ました。朝の散歩の時には大丈夫だったのですが、食欲も無いままです。
朝市を後にして、そこから20分ほどの世界農業遺産の千枚田や塩田など海岸線沿いの観光スポットをドライブしながら和倉温泉に戻りました。
4時過ぎに宿で浴衣に着替えて下駄履きでカランコロンと総湯に出かけてみました。
ここは共同浴場で440円と都内の銭湯よりも安いですが、外観は黒の板塀と白の漆喰の能登の伝統的なたたずまいです。
中に入るとまるで美術館のような趣でクラシック音楽が流れています。「千と千尋の神隠し」的な昔ながらの道後温泉とは対照的です。
2日目の夕食はノドグロの煮付けとなんと言ってもアワビの踊り焼きがハイライトでした。あっという間に地元の赤ワインが一本空いてしまいました。
夕食が終わる頃には犬の体調は絶不調となり、下痢の便には血が混ざるようになり、加えて嘔吐を繰り返すようになりました。
脱水症状を危惧して、水を少し飲ませるもまたまた嘔吐と下痢の始末です。
結局2日目の夜は、夜通し犬が心配でほとんど眠れず、大変な一夜を明かす羽目になりました。
翌朝チェックアウトする際には、80代とおぼしき大女将お手製の手芸品を頂戴しました。
能登半島、和倉温泉と輪島の旅は反省で終わった
今回の能登半島の旅は、海鮮グルメツアーとしては大満足だったのですが果たして愛犬にとってはどうだったのでしょうか?
帰路の車中で、犬は下痢と嘔吐を繰り返し結局行きつけの動物病院へと直行となりました。小布施のワイナリーどころではありません。
人間でも山岳地帯をドライブすると耳が痛くなったりしますよね。犬にとっても同様に、狭い車中でストレス一杯だったはずです。
幸い獣医師から処方された胃腸炎の薬が効いて、数日で元気になったので良かったですが、愛犬旅行の際には充分配慮しなければと反省しきりの旅となりました。
周辺でペット可プランのある宿