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愛犬の困りごとしつけ対策「引っ張り」!楽しいお散歩のために!

犬のしつけ・トレーニング

愛犬の困った行動、これさえ無ければ…などと思うことは一つや二つあるものです。でも、どんな行動にも理由があります。知らないうちにストレスを与えていたり、間違った対処法をしてより行動を強化してしまったりしている場合もあります。

犬の行動を理解し、それぞれに合った対策を取って、お互いが気持ちよく生活できるようにしていきましょう!

お散歩時のお悩みに多い、「引っ張り」癖の対策について紹介します。

 この記事を書いた人

カジ ノブエ
ドッグトレーニング・インストラクター/スウェーデン式ドッグマッサージ・セラピスト 犬の行動心理に基づく英国式ドッグトレーニングを日本に取り入れた第一人者、松本和幸氏に師事。英国ペットドッグトレーナーズ協会公認、リン・バーバー氏のディプロマ取得。
出張ドッグトレーニング「おりこうワンちゃん」 http://www.orikou-wanchan.com

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「引っ張るワンちゃん」はどんな気持ちなんだろう?

犬の散歩時の困りごとの代表選手である「引っ張り」。

嬉しくて興奮してしまい、早く自分の好きな場所に向かいたい、行きたい!苦手な場所を通る時は、一刻も早く移動したい…。そのどれもが、人が犬をコントロールできていないことによって起こる問題です。

犬がリードを引っ張る時、どんな気持ち、どんな状況にあるでしょうか。

  1. 興奮・注意散漫(飼い主に集中していない)
  2. 自分の好きなところに行きたい
  3. 早く移動してしまいたい(その場から去りたい)

言い換えれば、「引っ張り」は犬が自分の好きなように歩いていて、人がそれに振り回されているのです。

犬の好きなように歩かせないようにするためにリードを短く持って歩いている人がいますが、実際は、短くすればするほど犬は前のめりに前に進もうとするため、犬が人を引っ張りながら隣を歩いている、という状況になっています。

例えば、犬ぞりを引く犬たち。前へ前へと勢いよく走っていますよね。もともと犬は重心が前にあります。

獲物をつかまえるため早く走れるように前傾姿勢なのです。そのため、犬の動きを制御しようとしてリードを引っ張ると、落ち着かないどころか、反対にグイグイと前へ前へと行きたい衝動にかられてしまい、犬はよけいに前へと進もうとします。

こうした犬の引っ張りの解決に必要なことは、人が主体となって歩く、という考え方に意識を変えてみることです。

犬とのお散歩は “一緒に”歩こう

お散歩は犬のために、と愛犬家の誰もが思うことでしょう。

散歩は、排泄をする、道路や草むらの匂いを嗅いで犬同士の情報交換をする、運動不足やストレスを解消する、などの犬のために必要なことだけではありません。

昨今、特に都心部などでは、散歩の時のトイレマナーも厳しくなってきました。排泄のための散歩、という考え方を改め、「お散歩は飼い主さんと愛犬のコミュニケーションの時間」ととらえましょう。

人が犬を連れているのでもなければ、犬が人を引っ張るのでもない。一緒に歩いている、という感覚とコツさえつかめれば、「引っ張る」行為は自然となくなっていきます。

一緒に歩いているのだから、お互いに目線がかわせる距離にいましょう。そして、歩く順路や方向は人に任せる。というルールを犬と共有しましょう!

引っ張り対策のトレーニングで最も大切なのは、こうした人とコミュニケーションをとりながら歩くルールを犬に学んでもらうことです。意思の疎通が図れれば、お散歩は人と犬とが楽しい時間を共有する豊かな時間へと変わっていきます。

犬の自由きままに、匂いを嗅ぎまわったりさせるのではなく、人が「この場所は好きなだけ匂いを嗅いだりしてOK」「この場所は、言うことを聞いて一緒に歩いてね」というようなルールをつくって愛犬と共有することで、散歩はお互いにとってより歩きやすくなっていくでしょう。

一緒に歩くルール

① 目線を交わす…アイコンタクトをとろう
② 人も犬も並んで歩こう
③ リードはゆったり「J」の字をイメージして
④ 行き先を決めるのは飼い主さんの役目
⑤ 愛犬の願いをかなえる時間をつくろう

一緒にあるく定位置、“ヒールポジション”を教えよう

ヒールポジションとは、人の真横の位置を指し、犬が人と一緒に歩く時のちょうどよい目安となる位置です。人より前を歩かない、ということでもあります。

いつもこの位置で歩けるように練習することで、引っ張ることなく人の隣を歩くことができるようになるでしょう。

練習は、おやつやオモチャなど、愛犬の大好きなものを使ってこのヒールポジションが定位置だということを犬に覚えてもらうところから始めましょう。

手をまっすぐにおろした位置におやつまたはオモチャなどを持ち、犬がそれらにつられて人の隣を歩くように誘導します。

最初はゆっくりと、犬がきちんとついて歩けていたら次第に歩調を通常の速度にしていきます。「そうそう、イイコ!」など、ほめてあげることも忘れずに。

人より先に歩こうとする時の対策1

引っ張りながら歩こうとすると、「止まってしまって先に進めない」ということを犬に理解してもらう方法です。

1. 立ち止まる。
2. 犬が振り返ったら、ヒールポジションの位置にリードを引き戻し、「ついて」や「ヒール」などと合図を出して、再び歩き出す。
3. また先に歩きだそうとしたら、再び立ち止まる。(これを根気強く繰り返します)

人より先に歩こうとする時の対策2

方向を決めているのは飼い主さんだということを犬に理解してもらう方法です。

1. 犬が引っ張って歩いている方向とは、反対の方向へと歩きだす。
2. 犬が追いついてきて、再び人よりも先に歩こうとしたら、また方向転換する。(これを根気強く繰り返します)

次第に人の歩いている動きを意識するようになります。引っ張らずに歩いているタイミングでほめて、「ヒール」や「ついて」と合図を出し、ごほうびなどをあげるとよいでしょう。

「疲れた犬はいい犬だ」ってほんと?

イギリスのことわざに「疲れた犬はいい犬だ」というものがあります。

これは、外でたくさん走り回ったり遊んだりして十分な運動し、家の中にいる時は十分な休息をとるために穏やかに寝そべっている犬を指すもの。

十分な運動をして欲求が満たされていれば、犬は室内ではとても落ち着いていてストレスなく、イタズラなどをするようなことはせずに大人しくしているものだ、という意味です。

リードでの係留がルールづけられている日本では、愛犬の心行くままに遊んだり走らせてあげる機会はドッグランなど限られた場所になってしまいますが、その犬にあった遊びや運動の時間を十分に与えて、ストレスフリーの日々が送れるようにしてあげたいものですね。

十分な運動を行って、外での喜びや走りたい、遊びたい、などの欲求を発散できれば、散歩時のうれしさではしゃぐ気持ちからの引っ張り癖などは軽減できるでしょう。

ロングリードのすすめ

交通量や人の往来が多い道路や住宅街では、短めのリードでマナーよく歩くことが望ましいですが、それでは犬としての散歩の楽しみは十分満喫できているとはいえません。時には、草や土の匂いや他の犬の痕跡を嗅いだりすることも、散歩時の楽しみとして愛犬に与えてあげたいものですよね。

散歩のスタイルとして、一般の道を歩く時は人の従いながらマナーよくヒールポジションを意識して歩き、公園など少し広い場所などに来たら、愛犬にとっての自由時間にしてあげる、というメリハリを利かせた散歩の仕方をおすすめします。

その際、人や他の犬に注意しながら、公園などではロングリードに付け替えて走らせてあげたり、ボールを使って遊んであげたり、家の中ではできない散歩ならではの楽しさを与えてあげましょう。

首輪とリードで解決できること

犬の「引っ張り癖」は、リードや首輪が愛犬と合っていないことも原因のひとつかもしれません。

胴輪などハーネスタイプのものは、犬ぞりで使用されているものと原理は同じで、前へ前へとより進みやすい構造になっています。引っ張る傾向にある愛犬には、こうしたハーネスタイプのものよりも、人の合図が届きやすいチョーカータイプのものがおすすめです。

また、体力差があって犬の歩くペースと合わせることができない場合には、引っ張り防止用に開発されたものを取り入れるなど、道具を使って引っ張りを解決するという方法もあります。

馬の調教を応用したものや動物の持つ本能的な反抗行動を利用したものなど、あまり負担をかけずに引っ張り癖を解決できるものが市販されています。正しい装着の仕方や犬種による向き不向きなどに気を付けながら、取り入れてみることも解決策のひとつです。

飼い主さんを意識する習慣を

人の出す合図や行動を常に意識している犬には、引っ張り行動はあまり見られません。散歩という一大イベント時、さまざまな誘惑や刺激の多い外での環境は、どうしても意識が散漫になりやすいものです。

そんな中でも飼い主さんの出す合図に集中して言うことを聞くことができれば、落ち着いてマナーよく歩くことができるでしょう。そのためにも、日ごろからアイコンタクトや名前を呼んだら反応できるような練習をしておくと、引っ張り予防にもつながっていきます。

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