週末になるとよく地元神戸の住吉川へ出かけます。神戸市東灘区のほぼ中央を流れる住吉川は、六甲山最高峰付近に源があって、たくさんの渓流を集めて南へ流れ、大阪湾へと注ぐ二級河川です。
中流から下流まで程よい高低差があり遊歩道もあるので、平日も休日もたくさんの人たちがウォーキングやジョギングを楽しんでいます。
住吉川はとてもきれいに整備されており、生活排水の流入がないこともあって、アユやアマゴ、市街地にもかかわらず、上流ではゲンジボタルが生息しているほど清らかな川です。
自宅を出てすぐ西側に住吉川が流れています。おでかけというよりは、愛犬の散歩の延長のような気分で、住吉川の遊歩道へ下ります。
中流から下流にかけての河川敷は、「清流の道」として一般 に開放されていて、四季折々の自然を楽しめるところもお気に入りです。
この記事に登場する愛犬
リク ♂(チワワ)
うららかな春の到来
春はお花見しながら、住吉川へ。桜の名所とは言えるほどではないのですが、ところどころこじんまりと咲いている桜を愛犬とまったりと楽しみます。
小型犬の愛犬は寒い冬が苦手なので、あたたかな春の訪れを嬉しそうに、住吉川に沿ってトコトコ歩きます。
ちょうど開催されていたマラソン大会では、走るランナーの皆さんを綺麗な桜の木の下で一緒に応援しました。また、桜だけでなく、川辺にある生い茂る緑が青々としていて、草木も心待ちにしていた春の到来を喜んでいるかのようです。
と、そこに、チョコチョコと動いている何かを発見した愛犬は、どんどんとその何かに近づいていきます。何だろうと、目を凝らすとサワガニの群集。
水のきれいな住吉川にはサワガニがたくさん生息していて、初めて目にする愛犬は、不思議そうにサワガニを眺めていました。
毎日の朝の散歩は住吉川です。向こう岸へ渡る飛び石がとてもお気に入りのようで、いつも川のほうへ下りたがって、この飛び石の上に座るのが日課です。
何もすることなく、堂々と、時たま嬉しそうに、辺りを見回してご満悦。何を考えているのかな、何を話したいのかな、こういうときはいつも愛犬と話をすることができたらいいのになぁ、と思ってしまいます。
住吉川 夏は川遊びに限る
真夏の気温35℃を超える暑さの日は、クーラーのきいた涼しい部屋で快適に過ごすのもいいですが、自然の夏を満喫するのも結構いいものです。
夏には夏の楽しみ方がたくさんあるような気がします。灼熱の太陽で熱されたアスファルトは愛犬にとってとても危険ですので、川の中だと安心です。暑すぎる日には、住吉川の上を通る鉄道の高架下で涼みます。
今日は住吉川日帰りの旅。自宅から車で走ること10分。すぐに到着、とても近いです。徒歩でも来られるのですが、荷物が多いので車で向かいます。
近くの駐車場に車を停めて、ワンタッチで立てられるテントや氷の入ったクーラーボックス、お弁当、タオル、うちわ、着替えなどを準備して、住吉川の中流へ向かいます。
住吉川の下流の方は小さな子供たちや、親子連れファミリーで川遊びをしている方多いのですが、中流の方へ来ると一気に人が減り、壁をつたうような滝があり、マイナスイオンも十分。真夏の暑さを和らげてくれます。
なんといってもこの人の少なさがおすすめのポイントです。木陰にテントを立てると、もう汗だくです。早く川に入りたいと言わんばかりの表情で、一目散に川の中へ。
鳴き止むことのない蝉の声、ムシムシジリジリとした空気、カンカン照りの太陽の下で、ひんやり冷たい川の水がとても気持ちいいです。愛犬にとってちょうどいい深さで、流れも強くなく、愛犬自らどんどん川の中を歩いていきます。
今まで泳げるような深い水には入ったことがない愛犬に、少し深みの場所で泳ぐ練習をさせてみたり。なんだか不安そうな顔で一生懸命足をバタバタしています。泳げるようになるにはまだまだ練習が必要かな。
遊んだあとはしっかり水分をとって、お弁当を食べて、そして再び川へ。何度も住吉川へきているので、水は恐くはないようです。川遊びにきていた子供たちにも可愛がってもらって、夏の暑さを忘れさせてくれるような素敵な時間です。
住吉川 暑さが落ち着いてきた秋
川遊びが大好きな愛犬にとって、少し寂しげな秋。何度も何度も川へ入りたがりますが、風邪を引いてはいけないと、私の膝の上で我慢です。
私が川の水を足でバチャバチャすると、何度も私の顔を見て、「どうして川遊びできないの?」と浮かない表情です。だいぶ水の温度も下がってきて、住吉川の草木たちも冬支度を始めています。
また、落ち葉やススキを楽しみながら、風の香りと少し寂しげな自然の風景に、秋の訪れを感じます。
だんだんと空気が冷たくなってきたからか、愛犬の夏の元気はどこへやら、歩くことを拒んで、なかなか前に進みません。そんな時、住吉川下流の方には川に沿って公園がずっと続いているので、そちらへ向かいます。
愛犬は落ち葉のカサカサという感触がお気に入りのようで、赤や黄色の落ち葉でできた絨毯の上をクンクンクン、臭いを嗅いでいます。
住吉川中流から下流の方へ見下ろす景色は、驚くほど都会です。私たちのいる住吉川の方は自然いっぱいなのに、見下ろすと両側に建っている高層ビルがおもちゃのように見えます。
これこそが住吉川の良さ、この住吉川のありがたみを感じます。そして、この神戸ならではの景色、山と川と海と空に囲まれて、こんな素敵な街に生まれてきて本当に良かったと思います。
住吉川 いよいよ寒い冬のはじまり
寒い冬は家にこもりがちですが、住吉川へ出かけると、カルガモ達が川の上をぷかぷか泳いでいます。
どうしてカルガモは冬の川で泳いでも寒くないのでしょう。川に浸かっている足がとても冷たそうなのに、どうして平気なのでしょう。毎年のように素朴な疑問を思うとき、また寒い冬が近づいてきたのだなぁと感じさせてくれます。
冬はつがいで行動しているのか、ペアで泳いでいるカルガモがたくさんいます。愛犬が近づいても逃げないくらい都会で暮らしていくことに慣れている野生のカルガモ。
自然豊かで綺麗な住吉川のおかげで、食べ物には困らないだろうし、危険な状況の時には草木に隠れることもできます。子育てをするのには格好の場所なのかもしれません。
寒い冬を乗り越えて春になると、小さな赤ちゃんがたくさん誕生して、カルガモの親子になって本当にかわいい光景を目にすることができます。
可愛いカルガモ親子に、ジョギングしている人たちも目を奪われ、写真を撮ったり、自然と笑顔に包まれます。親ガモになった気分で、一生懸命生きる子ガモに、ガンバレ!ガンバレ!とエールを送ってしまいます。
こんな風に優しい街の人たちと一緒にカルガモの親子を見守っていられることが本当に嬉しく、そんな心があたたまる気持ちにさせてくれる住吉川の存在は、私にとっても愛犬にとってもなくてはならない場所です。今年は何羽の子ガモに出会えるかなと、愛犬と一緒にとても心待ちにしています。
住吉川の恵み
もし住吉川がなかったら、このような1年を通しての楽しみも味わうことができません。春夏秋冬、それぞれに素敵な風景があって、楽しみ方があって、嬉しさがあって。そんな経験をさせてくれる住吉川は愛犬にとっても私にとっても、本当に大切な場所です。
私が子供のころからずっとそこに流れている住吉川。これからも綺麗であってほしいから、愛犬とゴミ拾いお散歩をすることもあります。小さなことでも意味のないことはないので、これからも一緒に愛犬とゴミ拾いは続けよう思っています。そして、また1年、いろいろな色を見せてくれる住吉川を楽しみたいと思います。