今回はパピヨンの飼い主さんに実際の性格やフードのこと、過去に経験した病気などについてお聞きしましたのでご紹介します。
パピヨン”チェリー”のプロフィール
チェリー(パピヨン)
- 性別:女の子
- 生年月:2003年5月
- 避妊・去勢手術:受けた
- 体重:2.5kg
- 入手方法:ブリーダー
パピヨン”チェリー”の性格
チェリーに初めて会った時は、ブリーダーさんがおやつを食べさせていました。きょうだいが2匹いてチェリー以外は男の子でした。そんな中でおやつを手で押さえて確保し、口にもう1つ加えて食べていました。そうなんです。男の子のきょうだいのおやつも、自分のものにしているという賢い?女の子です。
おじいさんはパピヨンの本の表紙にのるモデル犬で、お母さんはチャンピオン犬でしたので、品がよくおとなしそうに見えましたが、生きるすべを知っているというか見た目とのギャップが面白いです。
パピヨンは小さい時は耳がピンと立っていますが、大人になると耳が横向きになります。そこに長い毛が生えてきますので、後ろから見ると蝶々が羽を伸ばしたような気品があります。まさにアゲハ蝶。色は白黒、白茶、白黒茶の3種類です。
愛玩動物として改良されたパピヨンは、マリー・アントワネットに愛された犬なのです。フランスが原産国で、長い毛の下に短い毛があり寒さには強いと言われています。とても明るく人懐っこい性格で、うれしい時は、しっぽをブルンブルンと円を描くように回し、体全体で気持ちを表現します。
チェリー(パピヨン)の食事
朝、夜1日2回。1回に25gずつ食べます。フードは獣医さんからおすすめのヒルズサイエンス小粒です。
食事時間が遅くなると、まだかなあという顔で見つめます。食事の用意をすると足元について周ります。「待て」の合図が長いと、体は直立不動ですが、フードと私の顔を交互に見ています。「良し」の合図とともに、野獣に変身。
1分以内で食べる早業は、真似できません。食べた後は、舌なめずりをしているのですぐわかります。 おやつは特に与えていません。料理をしていると台所に張り付いて、落ちたものをすかさず食べるお掃除屋です。特に、キャベツの芯が大好きです。ブロッコリーも芯しか食べません。野菜なら何でもOK。ゴーヤも生で!ヘルシーフードが好物ですが、ケーキも隠れて食べていました。
玄関に頂き物が置いてあると、ペロリです。ワカメを食べていたのにはびっくり。トマトは食べたのが見つからないように、玄関マットでかぶせてわからないようにしていました。
主人がみかんを食べているとおねだり。テーブルの角に1粒置くと、ジャンプしてキャッチ。みかんで調教していました。小さい時の食い意地?は今も健在です。
チェリー(パピヨン)の運動量
散歩は1日1回。20分程度です。散歩が大好きで、自分から先導してリードで引っ張ります。こちらに歩調を合わせるようリードと声で指示を出しますが、一時しか効きません。
近所の人が声をかけて、「可愛いねー。」といわれると喜んでしっぽをふり喜びます。風が吹いて毛がなびくと優雅です。
ある日お客さんが来られ、戸を開けるとそのすきに脱走。すぐに姿が見えなくなり、まさに暴れん坊将軍の馬のように走り去っていきました。とっさに、「チェ―リーーーーーーー!」と大声で呼びました。
しばらくして、また風のように走るのではなく、飛んでいるかのように家に帰ってきました。恐怖と安堵の数分間でした。パピヨンは見かけによらず、素早いですので要注意です。
普段は、家で自由に好きなところを歩いています。トイレと水は廊下に置いていますので、自分で水を飲みに行ったりします。客間の和室には入れないようにしつけましたので、お客さんが「おいで」と言っても入りません。結構賢い犬です。結構は失礼?!
人が歩くとついて歩いたりして、じっとしていることは少ないかもしれません。トイレにもついてくるなど、室内でも動いている方です。
獣医さんから運動量に関しては、室内で自由にしておけばいいといわれますが、チェリーは外に出たくて、雪が降ってもうれしそうにしています。
チェリー(パピヨン)の鳴き声・吠え声
チェリーの鳴き声は、一言では語れません。七色の声どころか数十種類の鳴き声を持っています。ピヨピヨ、ニャーオニャオー、ブーブー、ウッウッ、ケンケン、ギャアギャア、ピヨー、ブヒブヒ、ボーボー等・・・音程も1オクターブ以上出ます。犬ってこんな声が出るのと首をかしげるほど多彩です。
人の気配がすると、一目散に玄関に行って大声で吠えますが、怪しくないとわかるとすぐにしっぽを振って、静かになります。まさに、番犬にはピッタリです。
困ったことは、ブラッシングのときに大声で吠えます。特に耳の毛は長くて優雅なのが特徴なので、絡まりやすいのです。チェリーは大げさなところがあって、ちょっと絡まって引っ張ると叫びます。 まるで、動物虐待をしているかのようで困っています。
チェリー(パピヨン)のフレンドリー度
主人にはボスだと思っているようで、車の音がしただけで大声で吠えてお出迎えします。ソファーに座っていると、ちょこんと飛び乗って主人の横で体をくっ付けて横たわります。狭いので「あっちへ行け」と主人が言っても何のその。何事もなかったようにくっ付いています。
子どもは安全地帯だと思っているようで、叱られたりすると子どものところに張り付いています。子どもが外に出ようと支度をしていると、気配に気づいて付きまといます。そして、帰ってくるまで玄関で、忠犬ハチ公のように座って待っています。帰宅するなりスリスリして、しっぽをブルンブルンと振り回して喜びます。
ホームステイで外国の方が来られた時のことですが、美人の女の子には寄って行って声をかけてもらったり撫ででもらうと喜んでいました。ところが、背が高くてがっしりした体の男性には近づこうとしませんでした。
家族以外の人にも、声をかけてもらう事が好きでうれしそうにするのですが、英語を大声で話す金髪の男性には心を許しませんでした。
パピヨンは愛玩動物として改良された犬のなので、明るくてフレンドリーです。人によっては落ち着きがないという人もいますが、多分犬嫌いな人なのではと想像します。
また人だけではなく、近所の犬や猫にもフレンドリーですよ!!
チェリー(パピヨン)の毛の手入れ
毛が長いので、毎日のブラッシングが必要です。シャンプーカットは、月1~2回程度家でします。夏に汗をかいたり、匂ったりかゆそうにしているとシャンプーをします。
自分でカットすると、動いたりするので上手くできず、羊のようになったりして家族には不評です。というかチェリーが一番嫌かも。
同じパピヨンが動物病院に来ていて、どうされたのか聞いたら、後ろの毛をカットしようとして身を切ってしまい、獣医さんに叱られたとのこと。専門の方に任せた方がいいかもしれません。
トリマーの専門学校で、安くトリミングしてくれるところもあるようです。 毛が生え変わる時期は、(夏毛や冬毛に代わります)特にブラッシングが必要です。チェリーはダブルの毛が生えています。外側の長い毛と内側の短い毛です。フワフワして触るととても手触りがいいです。 耳の毛が長く蝶のような毛が特徴ですので、絡まりやすくここを丁寧にブラッシングします。
パピヨンの命ともいえる耳の毛は、エレガントで上品な立ち姿で見ているだけでも癒されます。
抜け毛は少しありますので、黒い服は要注意です。また、外に散歩に出るとネコもたくさんいるので、ノミがついて皮膚病になり毛が抜けていきました。月1回程度、ノミやダニを駆除する薬が液体でありますので、その後はそれをするようにしています。
チェリー(パピヨン)のケガ・病気・事故
チェリーが7歳の時に、子宮に膿がたまって手術をしました。何も食べたり飲んだりしないのでおかしいと思い、病院に連れて行きました。点滴をしてもらい帰りましたが、一向に良くなりません。
2件目の病院に行き、レントゲンを撮ってもらいましたがそこでも良くならず。点滴をしてもらっても飲まず食わずなので、鼻が渇いて目にも活気がなくなってきます。子どもが勉強していると、そこに座ってじっとしています。
3件目は大きな動物病院に行きました。子宮に膿がたまっているので、すぐに手術をしないと命が危ないといわれ驚きました。体力も弱っていたので心配しましたが、無事に1週間ほどで退院して元気になりホッとしました。それから7年になります。
女の子は子どもを産ませないのなら、避妊手術をしないとこの病気に罹りやすいといわれました。
元気な時に手術をするというのも、決断が付きません。 チャンスがあれば子どもも産ませてやりたかったのですが、初めて犬を飼ったものでそこもよくわかりませんでした。
犬が飲まず食わずで1日過ごすということは、何かあるということです。早めに受診されることをお勧めします。
手術となると保険がないので、人間よりも治療費がかかります。小さい時に、犬の保険に加入しておくのも1つかもしれません。
パピヨンは比較的元気で、病気にもかかりにくいと言われています。初めて飼う方にはお勧めです。
チェリー(パピヨン)とのエピソード
チェリーは、日向ぼっこや散歩が大好きです。「散歩に行く?」の「さ」と行っただけで、しっぽを振って玄関の方にかけて行きます。手足をバタバタさせて、早く早くと言ってるようです。リードをつけようと思っても、じっとしていないので、「行かないよ」というと首を出し、つけて!と言ってるようで、そのしぐさを見るとおかしくなります。
たまに主人と散歩に行くと、食べられる野草があり、その味をしめて皮をはぐ時間が待てずジャンプして食べようとします。水分もあって、散歩で乾いたのどを潤すにも美味しいのでしょうね。
夏は朝早く散歩に出ますが、それでも暑かったようで、草むらに入ってもう歩けないとしゃがみこんでしまったことも。主人は歩くのが早く、距離もいつもより長かったから、さすがのチェリーもギブアップ。
チェリーは、話している人の顔をじっと見ます。家族で話をしていて、ちょうどタイミングのいいところで「ウーン」などと相槌を打ちます。七色の声の持ち主で、チェリー1人でネコや鳥、ブタ、オットセイ、トドなどいろいろな動物といるようで楽しいです。
夏は暑くて舌がべローンと長く伸びるので、氷を出してやりました。気に入って必死で噛もうとしても噛めず、そのうち溶けてなくなりました。「あれ、氷どこやった?隠した?」といわんばかりに、私の顔と氷の入っていた皿を見比べていました。おかしなチェリーです。
ある日子どもが泣いていると、「どうしたの?大丈夫?」と言わんばかりに、涙を拭いてではなく、涙をなめてそばにずっと付き添っていました。人の気持ちがわかる優しいチェリーです。
14年も一緒にいると、犬ではなく家族になりました。動物病院に行くとカルテには苗字+チェリーと書かれています。
チェリーという名前は子どもが付けました。候補は色々あったのですが。そして、ブリーダーさんにチェリーのお母さんの名前を聞いたら、「さくら」とのこと。さくらの娘でチェリー。こんな偶然があるのでしょうか。チェリーが一番好きなのは、名付け親の子どもです。いつも一緒で、よく声を掛けてくれるからなのでしょうね。トイレの中まで一緒に入る、とても親密な関係です。
私は子どもの頃ネコを飼っていたので猫派でしたが、チェリーが来てからは犬も好きになりました。
14歳になり目も耳も衰えてきて、心臓も悪くなってきました。獣医さんからじっとしてるように言われますが、今でも飛んだり跳ねたり明るく活発なチェリーです。
あと残された日まで、どんなチェリーとの楽しい生活が送れるかと思うより、今この時が面白いチェリーとの毎日です。