以前は「雑種」と呼ばれていた犬が、今ではかわいいミックス犬として人気です。欧米ではデザイナーズ・ドッグなどと呼ばれ、希少性の高い犬としてブランド化している犬種もあるとか。
現在のミックス犬は、純血犬種の特徴や容姿のかわいらしさを組み合わせ、“いいとこどり”を狙ったワンちゃんが多く出回っているようです。
今回はそんな話題のミックス犬の中でも、SNSなどを中心に話題となった「ポンスキー」についてご紹介します。
ポンスキーの特徴
ポンスキーは、ポメラニアンとシベリアンハスキーを両親に持ち、シベリアンハスキーの凛々しさとポメラニアンの愛らしさをあわせもった犬。親犬種は、どちらもスピッツ・タイプといわれる、とがった鼻先、立ち耳、カールした尻尾、厚い被毛が特徴です。
アメリカを中心に人気が拡大中で、日本には主にSNSなどを通してポンスキーのかわいらしさが紹介され、話題となりました。
ポンスキーは、ポメラニアンのような小型サイズでありながら、その愛らしさの中にハスキー特有の野生味あるきりっとした風貌がうかがえる容姿が特徴。外見上はシベリアンハスキーのほうが色濃く表れる傾向にあるようです。
体高は24~39cm、体重は7~14kgと言われており、大半が小型犬のサイズに収まっているようですが、シベリアンハスキーの血統が強くでれば、この限りではありません。中型犬と小型犬の組み合わせのため、子犬がどの程度成長するのかどうか、未知数の点があるので、予想以上に大きくなってしまったというリスクがあることも忘れないでおきましょう。
ポンスキーの性格
ポメラニアンの賢さや人に対する忠誠心と、シベリアンハスキーのやさしく友好的な部分とがベースとなっているため、大半のポンスキーは飼い主に対して愛情深く従順で、人も犬どちらに対しても大変社交的と言われています。
しかし、ハスキー特有の天真爛漫さが強くでると、いたずらの度が過ぎるなどやんちゃな犬に育ち、飼い主を困らせることもあるでしょう。ポメラニアンの賢さがうまく中和してバランスをとってくれると、しつけもしやすいですね。
反対に、ポメラニアン、シベリアンハスキーどちらの犬種も持っている警戒心の強さ、用心深さなどが色濃くでるケースもあります。頑固な面が前面にでてしまうとしつけに手を焼く場合もありますが、根気よく教えてあげることで学習は定着していきます。
反復練習を欠かさず、辛抱強く取り組むことが大切です。また、飼い主にほめられることでモチベーションも高まります。信頼関係を築き、その子の良さを引きだしてあげましょう。
性格は、親犬種の本来持っている気質とその子犬の個性とがベースとなり、その後の住環境などにも左右されるものです。子犬の時期に個性を見極め、その子にあったしつけや社会化をしてあげましょう。
ポンスキーのお手入れ
親犬種であるポメラニアン、シベリアンハスキーは、どちらも上毛と下毛の二層の被毛を持つダブルコートの犬種です。ポンスキーも同様に美しく豊かな被毛を持っています。特に下毛は、柔らかいパイル生地のような被毛が密集して生えているため、ブラッシングはかなりの頻度で必要です。
換毛期には大量の下毛が抜け替わりますし、日常的に抜け落ちるデスコートをきちんと処理しておく必要があります。密集している分、蒸れやすく、皮膚病などを防ぐためにも定期的なブラッシングが必要です。
小さなときから、スリッカーブラシなどお手入れの道具に慣れさせて、日常のブラッシングを嫌がらないように育ててあげましょう。換毛期の大量に抜け毛が発生する時期などは、下毛のみを取り除くことができる、ファーミネーターなどを活用してもよいでしょう。
気を付けたいポンスキーの病気
ポンスキーがなりやすい病気として注意したいのは、まずは骨折や脱臼、膝蓋骨脱臼や股関節形成不全など関節に関する疾患です。どちらの親犬種にも多い関節系の病気には気を付けたいものです。
日頃の運動でしっかり筋肉をつけたり、床のすべりやすさなどには配慮しましょう。その他、シベリアンハスキー、ポメラニアンどちらもかかりやすい病気として、白内障などの目の疾患があります。
ポンスキーは比較的長寿ですが、中型犬と小型犬の交配となるため遺伝子異常による病気を発症しやすいと言われています。先天性の疾患については親犬の病歴などをきちんと確認するようにしましょう。
日本では入手困難のポンスキー
モフモフのぬいぐるみのような、思わず抱きしめたくなるような容姿をもつポンスキーですが、思いのほか大きくなったり、シベリアンハスキーの容姿に近いキツネのような外見に成長することもあります。
現在、ポンスキーは国内でブリーディングされておらず入手方法は海外からとなります。もし機会があれば、家庭犬としても素晴らしいポメラニアンとシベリアンハスキー双方の魅力を楽しみながら愛情深く育ててあげましょう。